ねこの森へ帰る

なくした夢にもどっています

一人のユーザーが一つのシステムを終了させうる

ようやくちゃんと回り始めたようだが、ここ数日、はてなボトルが実質的な機能不全をおこしていた。

このあたり、すごい。
http://s01.megalodon.jp/2008-1215-0125-22/bottle.hatelabo.jp/?page=8

たった一人のユーザーが一つのシステムをだめにしている。興味深いのは、そのユーザーに悪意が全くなく、むしろ彼/彼女なりの善意に基づいた行動をしていた結果もたらされた不全であることだ。
個人を責める気はなく、もちろんはてなを責める気もない。はてラボというのは実験の場なのだし、どっちもどんどんやればいい。ただ、この事例は、WEBサービスを離れて、社会システム設計全般に関する心構えとして示唆に富んでいるように思う。

たとえば、区役所の窓口とか、バッティングセンターとか、コンビニのレジとか、高速道路にしても、考えてみれば、予期しない挙動の人が一人いるだけで十分そのサービスは停止しうる。実際、そういうことを我々はよく経験する。だいたいの場合が、そういう硬直の原因となる人は、困らせようという悪意で動いているのではなく、必死さや危急さ、時には善意みたいなものが結果として反社会的な形で発露しているだけである。
そういう硬直を最低限に抑えるように、コンビニにレジは二つあり、区役所には警備員がいる。当たり前のように思っていたが、はてなボトルが新サービスであるが故に起きた今回の事例と比べると、やはりこれは経験に基づいたよく練られたシステムなのだと実感できる。

事前にこういうユーザの出現が何をもたらすかを想像するのは非常に難しい。起きたことから第三者的に責めることはたやすいが、僕はそれをする勇気はない。僕も同じミスを犯してきたし、これからも犯すだろうから。

システム設計の難しさの一つが理解できたのでid:toratorazeroさんには感謝している。