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ねこの森へ帰る

なくした夢にもどっています

ゆめがき

姉、僕、フルセさんの三人で、海に近いマンションに住んでいる。
壁にそれぞれの私物を貼りつけて。
海側のテラスの向こうでは、羽根の付いた白のフォルクスワーゲンが発射台から飛び立ち、ふらふら飛んだ末に、墜落した。


気がつくと水位がかなり上昇してきている。テラスに1組の水着の男女が漂着して、玄関から抜けていった。手の届きそうなところを、塩化ビニルの皮膚を持つ生き物が泳いでいく。遠くには珊瑚礁。


外に出れば、段差の多い温泉街だ。街の中心のような広場には、路面電車の駅と、足湯用の噴水がある。石畳の街に、浴衣姿の湯治客がよく似合う。
少し山に入ると、鬱蒼とした森が広がっていて、よくみると一つ一つの木には巨大な彫刻が彫られている。木々に混じって、どこからか切り出された太く高い石柱が何本も立っており、それにも、苦悶の表情を浮かべる巨大な顔などが彫られている。ガイドのシンタニさんによれば、これはインカ帝国の民が侵略から逃げる際に魔除けとして彫ったものだという。
こんなもの彫っている時間があったらもっと奥地に逃げれば良かったのに、と僕は思う。まったくインカ人の考えていることはわからない。


家に帰ると、母が来ており、ポメロという果物を勧めてくる。僕の知っているポメロは緑色なのだが、彼女の差し出すものはほんのりピンクがかっていて、小ぶりだ。
要らない、と断ってトイレに行くと、そこはシャワールームだ。
こんなところでトイレはできない、と思ったところで、夢だと気づく。僕にしてはまともなほうの夢だ。

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