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ねこの森へ帰る

なくした夢にもどっています

うんこの時代、カノッサの屈辱、笑わない警察官

七草がゆと共に松の内も平和に過ぎ越し、クーリングオフ期間的なさらなる数日をおとなしく潜伏したところで、そろそろ解禁しよう。うんこの話をします。

「エクストリーム・アイロニング」というのがあるじゃないか。とんでもない場所でアイロンかけるパフォーマンスが。あれのうんこ版はどうだ。「エクストリームうんこ」。

断崖絶壁の上やエベレストの山頂やゴビ砂漠や珊瑚礁の海で、尻をむき出しにして、時に豪快に、時におごそかに排泄するのだ。それをYoutubeで公開する。Youtubeがノーと言うなら(100%、ノーだ)Dailymotionでもいい。YourfilehostやTube8やpornhostはダメだ。エクストリームうんこは性癖ではない。スポーツだ。崇高で健康的な理念のもと、脱糞に臨まねばならぬ。

「へー、自由落下状態で脱糞するとこうなるんだー」みたいな映像を、私は観たい。野生のサイに囲まれながら脱糞し、ズボンをずり上げながら逃げていく剛の者の姿を、私は観たいのだ。

これが流行してくれれば警察官にいいわけがきくのではないか、という希望もある。泥酔した帰り道、激烈な便意に耐えかねてひとけのない駐車場に座り込むことの多い私は、過去数回、そのままの姿で警察官と対峙している。低い目線から見上げる警察官は、昼間見る警察官より1万倍は強そうだ。

「我慢できなかったんだから仕方ないだろう!」と、私は言わない。肛門を開放しながらの逆ギレはなかなか難しいものだ。制御しきれぬ脱糞をぼとぼとと続けつつ、ろれつの回らない舌で警察官に謝罪と弁解の言葉を並べる深夜3時。ハインリヒ4世よ、見るがよい! これこそが屈辱だ!

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「あ、どうも」協力的な一市民、という顔をして私は挨拶する。「え? 何ですか? 見ての通り、トレーニング中です」笑顔で。「いざ本番、っていう時に自在に出せるようにするには、日々の訓練が大切ですから」笑顔で。「来月、東尋坊、挑戦しますよ。お巡りさんもよかったら、ブログ、見てください」笑顔で。「あ、サインですか? すいません、今、トレーニングのほうが継続中なんで、ちょっと待ってもらえますか。もうすぐ終わるんで」笑顔で。

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エクストリームうんこの時代が到来しても、私の屈辱は繰り返されるであろう。カノッサ城の門前ではなく、夜明けの近づく阿佐ヶ谷の駐車場で。