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ねこの森へ帰る

なくした夢にもどっています

あしたは揚げ物にしよう

あしたは揚げ物にしよう
できれば安い揚げ物にしよう
今のこの瞬間の話をするのなら
揚げ物が唯一のチケットだ
明日に行くには明日のチケットがいるだろう?
寝て、起きたらみんなに配られるアレが
我々のような人間には与えられない
アレをつかって明日を生きるのだろう?
うらやましいことだ
チケットが発行されないタイプの我々は
「正しい睡眠」
「定期的な朝型生活」
パキシル
などの支給品で券売機の修理をするのだが
それで直るんなら穴掘りなんてしてない
記憶の穴掘りね
小さなカブトガニをたっぷり脳に押し込める
カブトガニは記憶のワカメをもりもり食べ
我々の記憶を糞に両替する
糞は肛門に快感を両替してくれる
ああきもちがいいな糞は
金より快便だぜ、ふう……
このあたりが一日のピークで
あ、カブトガニの話だ
カブトガニが満腹になれば
僕の脳みそはぽっかりスカスカだ
カブトガニの尾をナタで落とし
殻ごと作業靴で踏み潰す
ジャムになるまで
酒になるまで
我々がカブトガニのワカメ酒をすするころには
もう朝になっていて
まだ券売機は故障している
空腹で未来がない繰り返しだ




だから揚げ物にするのだ
高級な天ぷらは食べられない
脂の載ったとんかつも無理だ
せいぜいファミチキ
がんばってグラコロ
「あした揚げ物を食う」この9文字がチケットだ
カブトガニジャムまみれのふとんから逃れ
揚げ物屋に行こう
行こうという気持ちが
お前のポケットの奥に
ぐちゃぐちゃになって
ソースのしみもついてるけど
それこそがお前の明日なのだから
だから
だから
だから大切に