ねこの森へ帰る

なくした夢にもどっています

犬猿短歌

いぬざる20首

●不自然な愛のボールを追いかける缶コーヒーは微量の駝鳥 ●美しい太陽風からあふれ出す秋の木陰に隠された沼 ●まっすぐなお茶へ託そう 密林はやさしい愛をたどってゆけば ●球体は流れの角度 燃えさかる草食獣が広がる星座 ●不自然な男の蝉を集めたらかかとの…

いぬざる5首

五月雨の猫と一緒に燃えさかる煙は君の世界をなぞる 音楽に似てる真冬のカナリアはなつかしすぎる曲線ですか 静かなる一等星を集めたら夏の背骨からあふれ出す水 爆弾はらせんの煙 鬱病のアンモナイトに似ている吐息 凛としていちごミルクのはずだったまだら…

いぬざる10首

むらさきの恋を離れて青春はやさしいお茶に隠されている 街じゅうのテトラポッドをよんでいる夢にまで見た沼を数えて ほほえみは季節の果実 真っ暗な積み木遊びをあざむく心 静かなる渦を残した人生は夏の獣のように流氷 金色の虹の向こうの影になり草食獣を…

いぬざる十首

●鮮やかな背骨のねじに教わった暗い砂漠に恋をしている●静かなる紙飛行機を待つ夜は夏の子供に手を出して罪●物憂げな女子供に近づけば哲学的な犬をあざむく●ほほえみの犬へ託そう トネリコの記憶は僕のゾンビの結果●たそがれのリズムで風の密林に隠されてい…