ねこの森へ帰る

なくした夢にもどっています

もうモンティ・ホール問題に悩まされないシンプルなやり方

モンティ・ホール問題というのがありまして。

問題は次のようなものである。



プレイヤーは、3つのドアを見せられる。ドアの1つの後ろにはプレイヤーが獲得できる景品があり、一方、他の2つのドアにはヤギ(景品がなく、ハズレであることを意味している)が入っている。ショーのホストは、それぞれのドアの後ろに何があるか知っているのに対し、プレイヤーはドアの後ろの様子はもちろん知らない。



プレイヤーが第1の選択をした後、ホストのモンティは他の2つのドアのうち1つを開け、ヤギを見せる。そしてホストはプレイヤーに、初めの選択のままでよいか、もう1つの閉じているドアに変更するか、どちらかの選択権を提供する。プレイヤーは、選択を変更すべきだろうか?



ゲームのルール



  1. 3つのドア (A, B, C) に(景品、ヤギ、ヤギ)がランダムに入っている。

  2. プレイヤーはドアを1つ選ぶ。
  3. プレイヤーがどのドアを選んだかにかかわらず、ホストは残りのドアのうち1つを必ず開ける。

  4. ホストは景品のあるドアを知っていて、必ずヤギの入っているドアを開ける。もし、両方ともヤギだった場合はコインを投げて決める。


これ、初見の方は訳が分かんないとは思うのですが、ドアをチェンジするほうが、2倍もお得です。
……わかります。変えても変えなくても同じような気がするんですよね。僕もそうでした。
2ちゃんねるでもモンティホール問題を引き合いに出すスレッドは必ず荒れるらしいですね。うーん、わからんでもない。2分の1だ、いや3分の2だ、いやいやパラドックスだ……。ただでさえめんどくさいのに加えて、2ちゃんねるには表記を正確に書く習慣とかないですから、ルール説明が不完全でキレたり……。もめるでしょうな。


まあ考えたい人はゆっくり考えてください。


じゃ、考えても分からなかった人に「チェンジすれば2倍」をすんなり理解できるミラクルな方法を紹介します。簡単に言うと、自分がホスト側に回れば一瞬でわかるんですな。

用意するもの



  • 従順な友人1名

  • トランプ(ジョーカー1枚とその他2枚)


手順



  1. 3枚のカードをよく切ります。

  2. 従順な友人に、ばば抜きの要領で、3枚のカードをかざします。

  3. 「ほれほれ、どれか一枚選びやがれ!」

  4. 友人が一枚とります。「まだ見ちゃダメ!」ときつく命じます。

  5. 自分の手に残った2枚のカードから、ジョーカーじゃないカードを表向きに場に捨てます。(少なくとも1枚はジョーカーじゃないです)。

  6. 「ほーれほれ、俺の手札とお前の手札、交換したいか?」と尋ねます。

  7. 何も知らない友人に悩ませます。

  8. 友人が決めたところで、オープン!

  9. ジョーカーを持っていたほうが勝ちです。

  10. 役割の交代などせず、これをひたすら繰り返します。(重要)

やってみてくだされ。モンティホール問題と同じルールであることは、問題ないですね?
勘のいい人は一瞬で、そうでない人でも10回くらいやれば、もう気づくと思います。
要するに、4の時点でディーラーの持っている2枚の中にジョーカーがある確率のほうが、従順な友人のとった1枚の中にあるよりも高いんですな。そりゃそうです、2枚と1枚なんだから。
そして、5はこの「ディーラー側の札が有利」という事実を一切変更しない作業であることが、やっているうちにわかってくるでしょう。仮に5の過程を飛ばしたとしたら、6の提案はディーラーの2枚の手札と友人の1枚の手札を交換することと同じなのです。つまり、5は、ディーラーから見れば何も得がなく、しいて言えば友人を混乱させるためだけにやる作業なのです。でも、混乱してしまった哀れな友人は有利な提案にまったく気づきません。悩んだ末に「チェンジしない!」と叫ぶ友人が、なんだか愚かすぎて気の毒に見えてくるでしょう?
では、これを十分に理解したところで、従順とはいえさすがに不満げな顔の友人にディーラーをやらせてみましょう。どうでしょう。友人は意気揚々とあなたに賭けを挑んできているでしょうか。でも、もうあなたは間違った選択をしませんよ。だって、目の前にいる気の毒な人が、全部教えてくれたじゃありませんか。その人の二の舞にならないように行動すればいいだけです。