悪とは
子どもの頃「悪の組織は毎回毎回お金を湯水のようにつかって、怪人もいっぱい殺されちゃって、戦い方が下手だなー」と思っていた。
今は大人なので、だからこそ悪の組織なのだ、ということを知っている。的確な人材活用、効果的な投資、「世界征服」という大きな目標に組織一丸となって邁進、という風な組織にしてしまうと、大人の世界ではそれは悪の組織とは言わないのである。怪人一個人が根性論で解決しようとして無理をして、「これから」という年齢で命を落としてしまう、そこに悪の組織の問題点が顕在化している、というわけだ。
逆に言うと、悪の組織のそういう悪の体質を改善すべく、幹部の怪人が思いきって組織外からカルロス・ゴーンみたいな経営者を招聘し、次々と組織改革を行っていく、というような回の戦隊物を観たらずいぶんとすがすがしい気持ちになるんじゃないか、とは思う。が、そういうニーズを持った視聴者は日曜の朝のテレビの前にはいないので、そういうのは「ガイアの夜明け」の時間帯でやればいいのであった。
ここで延々と私の脳内ガイア「怪人よ育て!―デストロン480日の改革―」の回の詳細を、役所広司さんがいっぱい出てくるイントロの寸劇から一つ一つお話ししてもいいのだが、読者諸姉兄はきっと、私がそういう話を始めるときによく元妻がしていたのと同じ表情をしているのだと察しがついたので、ここで筆を置く。
私だって進歩しているのだ。少しずつ。
キエテ・コシ・キレキレテ*1。